ガントレット、ファントムオブパラダイス

DVDを2本消化。どちらも900円台のお手軽品です。
内容は良かったですが。
ちなみに観てる間にビール数本とワイン一本空けましt
北海道で買った函館ワインの白は辛口でなかなかでした。
でもってつらつらとー。折りたたみつつー。




ガントレット
クリントイーストウッド監督・主演の刑事物。
すごい若い頃の作品ですねー。鋼みたいな細身の体とぜんぜん白くなってない髪の毛がポイントです、多分。
ベガスに重要参考人として拘留されている娼婦のマリーをフェニックスまで連行するよう命令を受けたイーストウッド扮するうだつの上がらないショックレー刑事。
しかしその娼婦を連れた事で行く先々で襲われるという話。
見所は、お前ら馬鹿だろと思わず呟いてしまうほど大量の銃撃を受けるところ。
なんせ開始後しばらくして逃げ込んだマリーの家で


大量の警官に家が崩れるくらい滅多撃ちされます。


しかもどさくさにまぎれて手榴弾とか投げてるやつとかいるし。
笑ってしまいました。
この頃のイーストウッド映画につきものの下品系下話もありました。
自分で振ったのにマリーに言い負かされて絶叫する警官とか、独特のブラックユーモアですねー。
フェニックスを向かう間に警官を殺したとか、銃撃戦で発砲したとか雪ダルマ式に身に覚えの罪状が増え、指名手配されますが、大学出の娼婦であるマリーの助言を受け、警察関係者にはめられた事に気づき、裁判所に乗り込むことを決意します。
ラストは数万発の弾幕の中を8ミリの鉄板を半端に貼っただけのバスで、両側に並んだ警官に撃たれまくりながら走り抜ける伝説のシーンを持って終わります。
ちなみにガントレットとは、ムチを持った人間を両側に並べその間を走り抜けさせる拷問の事らしいですが、シーンから来ている題名のようですねー。
これだけ撃たれても、ショックレーが撃ったのは2発。
しかもドアとバイクだけってのが対比としてかなり面白いです。


ショックレーとマリーが惹かれあっていくシーンがそれなりに入りますが、バイカーにマリーが暴行されそうになるところがあります。
そのシーンを見ながら、主演がイーストウッドじゃなくブロンソンだったら、こいつら皆殺しだなーとか思いました。
その場合は副題は復讐の〜マグナムだな、うん。
*チャールズブロンソンの恋人役は大体暴行されて死ぬ。その後新しい恋人が劇中でできるが、正体がばれて破局する。


ファントムオブパラダイス
根っこはオペラ座の怪人ですが、ニュアンスくらいしか残してない撮り方ですね。一応の分類はロックオペラになるらしいですが、あまり気にしなくてよろしいかと。
主役はファウストを元に未完成のカンタータを書いたマニアックな作曲家、ウィンスロウ・リーチ。
天パのロンゲにメガネ。さえないヒッピーって感じの姿をしてます。
彼の曲がカリスマプロデューサーのスワンの耳に止まり、盗作されます。
怒ったリーチはスワンの屋敷に乗り込みますが逆に麻薬の不法所持の罪を被せられ刑務所送り。
獄中で歯をすべて抜かれたり、盗作された曲が大ヒットしているのに逆上して脱獄し、レコード工場に忍び込んだ折にプレス機で顔の半分をつぶされ、さらに逃亡中に川に落ちた影響で声を失います。
復讐鬼と化したリーチは、スワンの劇場"パラダイス"に忍び込み、醜くつぶれた顔をマスクで隠しこの劇場を無き物に使用と暗躍します。
ですがスワンの口八丁にだまされ、以前知り合った女性シンガーのフェニックスの為に、カンタータを完成させる事に同意し、契約を結びます。
この辺りはファウスト博士とメフィストの悪魔的な契約を彷彿とさせますね。
実はスワン自身、悪魔と契約を結んでおり、そのスワンと血の契約を結んだリーチもまた死ねない体となります。
リーチは契約どおりファウストを完成させますが、スワンはやはり彼を裏切ります。
そしてフェニックスを寝取り、さらには結婚式の時に彼女を殺し、TVで殺人ショーを放映しようとします。
リーチは間一髪でフェニックスを救い、スワンの契約を破棄することに成功し、息絶えます。
ひどく暗めで退廃的な作品ですねー。
今の言葉で言うところの、ゴシックホラーってやつですか。
オペラ座の怪人系作品は、見る度に惚れた腫れたで空回りする怪人の滑稽さにやるせなくなりますね。
男って馬鹿だなとも思ってしまいますが。
その辺の見せ方も売りなんでしょうねえ。


ここまで書いて思いましたが、この2本は何気にフェニックスつながりですね。
微妙に運命的かも。どうでもいいといえばいいんですが。
どちらも1000円以下で買った割には名作だと思いました。